創約8巻の簡易バレ含む感想

8か月ぶりの新刊。
これで無印、新約を含めたシリーズの合計は53巻です。
刊行ペースが少々遅くなっているのが気になりますが、鎌池先生には無理をせず体調管理に気を配りながら執筆を続けてほしいところであります。
さて、前巻は、円盤化されたシュプレンゲルを上条が救ったところで終わりました。
これを許すまじと動き出したのが、一方通行管理下の学園都市、アリス率いる橋架結社、そしてアレイスター異形軍団です。
創約に入ってから好き放題に暴れていた彼女のつけが、今まさに回ってきた印象があります。
本巻の内容ですが、最初、新約10巻(オティヌス編)のような展開を予想していましたが・・・
次から次に襲い掛かるバトルラッシュではなく、橋架結社編の伏線回収と、新たに始まる薔薇十字編?への布石でした。

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登場人物

上条臨時勢力
上条、シュプ(エイワス)、アラディア(旧)

学園都市
一方、クリファ、カザキリ、浜面、滝壺、白井、御坂妹

橋架結社
アリス、ムト、ボロニイ、トリス、マリア、ヴィダートリ、ブロダイウェズ、アラディア(新)

アレイスター勢力
スター(コロン)、脳幹、キング

新勢力
CRC(クリスチャン=ローゼンクロイツ)
こう並べると、それなりの数に感じますが、話を動かしているのは、上条、シュプレンゲル、アラディア(旧)、ムトの4名です。
他のキャラの出番はそれほど多くありません。
新キャラはCRC、ヴィダートリ、ブロダイウェズ、アラディア(新)だけだと思います。

主なバトル

上条・シュプレンゲル・アラディア(旧)VSムト・アラディア(新)
3対2
普通に考えたら、上条側が有利ですが、ムトには超絶者専用の必殺魔術がありますので、簡単にはいきません。
また、シュプレンゲルがキングスフォードとのいざこざで弱腰になっているのも、即撃退とはいかない要因になっています。

サブバトルとして、
エイワスVSキング
アレイスター軍団VSムト
CRCVS橋架結社
超絶者VSクリファ、カザキリ
がありますが、いずれも一方的で、戦闘と呼べるほど詳細に描かれてはいません。

各勢力の目的

上条臨時勢力
3人の中で、命を狙われているのはシュプだけです。
上条はシュプを殺されないようにするため、アラディアはそんな上条を助けるため、彼女に付き添っています。
この危機的な状況を打開するため、シュプが提案したのは橋架結社との交渉(恐喝)材料です。
「これを他の奴らに知られたくなかったら、私を殺すな」みたいな感じですかね。
シュプの命を狙っているのは他にもいますが、学園都市については放置して大丈夫。アレイスター勢力については、とりあえず保留です。

学園都市
一方通行は、あれだけやられながらもシュプの抹殺に執着してない様子。
むしろ、対橋架結社の切り札として利用したがっているみたいな。
如何せん、上条が何を考え彼女に付き添っているのかわからないのが悩みどころ。
そこで、学生の安全を第一に考え、戒厳令という手段を取りました。
これは、戦時における緊急事態宣言みたいなもので、外出禁止にすることで、街のみんなを守ろうということです。

アレイスター勢力
シュプを救った上条を、アレイスターの目からはどのように見えたのか?
自分より他の女を優先させたわけですから、裏切られた気持ちになってもおかしくないですが、むしろシュプに利用されることを危惧しています。
ですから、シュプ抹殺を第一に行動を起こしていたわけですが・・・

橋架結社
シュプ(裏切者)の処刑と儀式です。
処刑の理由は言わずもがな。
アリスがおかしくなった原因“上条当麻”を引き合わせたシュプを許せるはずがありません。前巻でアリスにのされたトリスではありますが、彼女への忠誠心は変わってない様子です。
儀式は、橋架結社本来の目的(救済)を達成するための手段です。
このタイミングですべきことではないのですが、かといってこれ以上の先延ばしは計画の破綻を意味します。
ただ、中途半端な形で強引に進めても碌なことにはなりません。

話の大まかな流れ

上条たちは、宗教施設が複数存在する第12学区から、魔術データベースがある第15学区まで移動します。
その経路を、橋架結社とアレイスター勢力が追う展開で、話の流れは至ってシンプルです。
ポイントは、移動中、魔術を行使しにくいことです。
ド派手に使うと、魔力の流れからサーチされすぐに場所が特定されてしまいます。
エイワスのような一発芸もそうそう使えないので、なるべくひっそりと隠れるように目的地に向かう必要があります。
「自分でまとめた情報を知るのに、なんでわざわざデータベースを見る必要があるの?」と思うかもしれませんが、そこは、記憶が関係しています。
改めて、インデックスの完全記憶能力のありがたみ、リスクを思い出す感じです。

話のテーマ

今回は大きな主軸のテーマはないように思われます。
その代わり、キャラそれぞれで気になったのが三つほどあります。

まず『安全管理』です。
有事が起きたとき、街のトップが最初にすることは?
争いの場から、市民を遠ざけることです。
今回、一方通行のとった対応は、コロナ対策とよく似ています。
ひとまず、家の中にいれば、ウイルスに感染することもなければ、交通事故の被害に遭うこともありません。
昔の一方であれば、他のことは気にせず、意気揚々超絶者に戦いを挑んだことでしょう。

次に『トラウマ』です。
自分に自信を持っている人ほど、相手を信頼している人ほど、予想外の出来事、裏切りには大きなショックを受けるものです。
反応はフリーズ、ガクブルなどさまざまありますが、いずれも克服するのは容易ではありません。

最後に『トロッコ問題』です。
ある人を助けるために誰かを犠牲にするのは、是か非かという考え方。
誰かを守る、助ける、救済条件は人さまざまです。
自分、家族を第一に考える人もいれば、親戚、友達、宗教関係者や患者、国を優先する人もいます。
誰一人失わずにみんなの幸せを望むのが橋架結社ですが、これとはまったく逆の考え方があります。
それは、人間不要論です。
人間さえいなければ、戦争は起きないし、地球の自然が破壊されることもありません。

全体的な感想

シュプレンゲルの印象が変わりました。
悪女のイメージが強い彼女ですが、創1から創8までの流れを改めて見直すと、なるほどと思うところがないこともありません。
学園都市潜入、魔術指導、VS上条、アリス攻略などなど。
すべて、橋架結社の計画を潰す方向へと進んでいます。
彼らの計画のリスクを把握していたのは、おそらく彼女だけです。超絶者はもちろん、アレイスターほかの面々も想定できていませんでした。
ようは、誰かを犠牲にするやり方の問題で、今の異常な世界をどうにかしたいと思っている点は他の魔術師と同じです。

超絶者の謎が一つ判明しました。
彼らの代わりはいくらでも用意できると。
アリスとシュプを除いたメンバーの名前は、総理大臣や社長などの役職(肩書)のようなものです。
仮にアラディアという役職の人が退いたり、死んだりすれば、別の人がアラディアに昇格するだけです。就職を希望する人がいなくならないかぎり、いくらでも調達できます。
この仕組みは、今までの宗教団体にはなかったように思います。

アリスについて
8巻の序章から終章まで、一言も喋らず微動だにできませんでした。
よほど前巻での出来事がショックだったのでしょう。
上条のことをセンセイと呼んでいたのは伊達じゃありません。
シュプの目指しているセンセイは、こんな風に想われるセンセイなのかもと勘ぐってしまいます。

ムトについて
無という印象が強いです。
寒いといったり、食べ物を欲しがったりしてるので、感情がまったくないわけではありませんが、ある種のこだわりのようなものが感じられません。
業務は粛々とこなすタイプ。
勝敗についても興味がなく、負けても、あっけらかんとしています。

CRCについて
話し方は僧正、考え方はコロンゾンに近い。
戦闘能力は最低でもアリス、キングスフォード以上。
なんとなく、オティヌスの意見を聞いてみたい。

今後の展開予想

CRCとアレイスター軍団。
どちらも退場するには早すぎるので、この決着は、おそらく曖昧のまま終わることでしょう。

一番気になるのは、一方通行の思考。
警備員、風紀委員、暗部でどうこうできるレベルではない。人工天使や人造悪魔でも役不足。
普通に考えたら、他のレベル5に頼りそうなところですが、どうも戦闘に学生を使うのはNGにしている節がある。命に係わることなので、まあ、当然といえば、当然ですが。
となると、イギリス清教あたりに協力を仰ぐのでしょうか?

そして、上条はどう動くか。
少なくとも、インデックスやオティヌスと合流する必要があるでしょう。
今巻、上条は誰よりもシュプレンゲルの命を優先させました。
前巻、アリスと後味の悪い別れ方をしたにもかかわらずです。
この選択が、アリスの結末につながっているといっても過言ではありません。
おそらく、シュプレンゲルを救えるのはアリスだけ。そのためには、まずアリスを救わなければなりません。
今回の失策?をどのようにして挽回するのか注目です!

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