待ちに待った禁書の新刊。
これで、SSを除く無印22、新約23を含めたシリーズ(本編)の合計は52巻となります。
新規の人にとっては多いと感じるかもしれませんが、10年以上愛読している私からすると、なんとか100巻目指してほしい気持ちがあります。
さて、今巻の話をざっくり説明すると、アリス率いる橋架結社が、こともあろうに、学園都市内に根城を作ってしまい、それを上条や一方通行、あるいはアレイスターがどのように対処するか、といった感じになっています。
一応、ストーリーとしては単独で完結しています。8、9と跨るようなことはないので、7巻のみ購入したとしてもそこそこ楽しめるでしょう。
ただ、どちらかといえばバッドエンドに近いので、この本を読むだけでは爽快感を得るのは難しいかもしれません。
登場人物
上条勢力
上条、イン、オティヌス、スフィン、御坂、食蜂、白井、帆風、雲川姉、シスターズ
一方勢力
一方、ラスト、黄泉川、芳川、クリファ、カザキリ、鉄装、ダイアン
橋架結社
アリス、アラディア、ボロニイ、マリア、トリス、ムト
アレイスター勢力
スター、脳幹、キング、シュプ、コロン
チーム分けするとこんな感じ。
かなり多いほうだと思いますが、基本、メインストーリーを動かしているのは上条、アラディア、トリス、マリア、アリスの5名となります。
新キャラはムト=テーベのみ。
主なバトル
今回の話は大きく日常編、潜入編、バトル編の三つに分けられています。
暗部編(創3、5)のような殺伐とした雰囲気でバトルばっかりということはない。むしろ穏やかな雰囲気がかなり長い時間続き、後半、集中して怒涛の展開に仕上がっています。
上条VSトリスメギストス
マリアVSトリスメギストス
上条VSアリス
今巻のメインは2戦目の超絶者同士のバトル。
創6のアラディアVSボロニイサキュバスと似ていますが、こっちのほうが全力全快、1対1という雰囲気が出ています。
トリスの戦闘スタイルは、ちょい神裂似。マリアは包丁やお玉を巧みに操る一流の調理人といったところでしょうか。
話のテーマ
禁書のジャンルは魔術戦、超能力戦を軸とした異能バトルですが、どの話でもたいてい作者の主張、訴えたいこと、いわゆるテーマを設けています。
今回の場合は、『死刑制度の是非』
もちろん、これは私のなりの解釈で、作中でこのような文言が使われているわけではありません。
ただ、裏切りもの、憎いものへの対処法、処罰と聞けば、当然、考えざるを得ないことでしょう。
少し柔らかい言い方をすると『排除の論理』についてです。
『危険なもの』は作らない、遠ざける、消去するのは自分の身を守る場合において、当たり前のことですが、これが必ずしも正解とは限らない。
『危険なもの』と上手に付き合っていくことで、展望が開けたり、よりいい暮らしができることもあります。
今回の話は、この考え方の違いで、衝突が起きてしまったわけです。
今回はもう一つ。
バッドエンドを引き起こした裏テーマとして『善意の押し付け(押し売り)』があります。
親が子供に習い事をさせたり、お年寄りに席を譲ったりして迷惑がられる「余計なお世話」というやつです。
自分がいいと思ってしたことが、必ずしも相手のためになるとは限らない。
裏目に出たり、人によってはストーカーや敵対関係にも発展しかねないのが『善意の行動』の怖いところでもあります。
全体的な感想
以前から感じているのが、オティヌスの使い方の上手さです。
ファンならご承知の通り、魔神でありながら猫よりも弱いオティヌスですが、要所要所でいい仕事をしています。
オティヌスの場合、直接戦闘ではまったく役に立たないので、口撃に頼るしかありません。相手を言葉で攻略、篭絡させる技術が誰よりも長けている風に見せる作家の技量に今巻は特に感服しました。(上条の専売特許の“説教”が、オティヌスに移行?)
新約10読了後は「あそこでオティヌスは死なせてほしかった」とがっくりしたものですが、今では生存させて正解だった思っています。
トリスメギストスは紳士風の男性。人柄としては、騎士団長に少し似ているかな。わりと普通の喋り方で普通の考え方の持ち主。
思考行動に一貫性があり、かなり信頼できる印象だが、本心を大っぴらにひけらかすタイプではないので、深入りしすぎるとしっぺ返しをくらう?
マリアの主義主張もブレず穏健派。オルソラみたいにおっとりしているだけに、キレた時の反動がすさまじい。
アリスは相変わらずインデックスやラストオーダーに近い幼児思考。気違いに刃物とはこういうときに使うことわざなんだろうが、そう思われることにコンプレックスを抱いている?
ムトについては、セリフが少なく未知数。
ストーリーについては特に変化球はなく、行動範囲も狭く一直線。考察シーンに酌をとっている印象。
あと、なんとなくですが、伏線の回収が早く丁寧になったような気がします。読みながら「あっ、なるほどね」と思うところがポツポツ。
見所はやはり後半100ページほどかけてのバトル編。ある会話をきっかけにそれ以前と以後とで空気が一変します。
今後(創8)の展開予想
上条、シュプレンゲル、アラディアで1チーム。これに、イン、オティヌスが加わるかは不明。
それに対する、一方勢力、橋架結社、スター勢力がどう行動に出るか。
場合によっては、イギリス清教も起動?
乱戦が予想されるカオス的展開。
個人的には、ここにトールや第7位が加わってほしいところではあるが。
キーマンはおそらくシュプレンゲル。
この記事のタイトルに、バレという文字を入れていますが、情報はかなり省いています。
詳細は、実際に創約7を手に取って確認していただければ、一ファンとしては幸いです。

コメント